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「エンゲージメント」が経営を変える

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会社への「忠誠心」より仕事への「愛」

ローランド・ベルガー プリンシパル 田村 憲史郎氏

 前回の原稿(刻々と変わる顧客の気持ちに寄り添う)では、現代での勝者は顧客エンゲージメントを構築する必要があり、そのためには常にビジネスモデルを進化し続け、戦う土俵を変え続けなくてはならないという話をした。そしてその実現に向けての具体的な対応方法を例示した。

 中でも重要なのは、1つの勝利に甘んじずに進化し続けることであり、そのために高いエネルギーレベルを従業員が持ち続けるということだ。そのエネルギーレベルの最大化について、日本と欧米では著しく考え方が異なっている。

体育会的な厳しさで強くなった日本

 プロフェッショナリズムが必要だという点では共通している。ここで言うプロフェッショナリズムとは「コミットメント」と置き換えてもよいかも知れない。つまりは「甘い仕事」を許容するものではないこと、「やりきる」ということを最重要視するという点は万国共通している。では何が違うのか。「従業員エンゲージメント」という視点から概説する。

 端的に言ってエネルギーレベルの最大化とは、個々人の「ベクトルの絶対値」ができるだけ大きくなるということと、それぞれの「ベクトルの方向」がそろって力を合わせられるという2つの側面から形成される。

 この2つの側面へのアプローチの仕方が日本と欧米では異なる。

 終身雇用を基本とする日本ではやりたくない仕事や面白くない仕事に対しても「石の上にも3年」の思想が根底には存在する。そのため会社を構成する業務は明確に分解されており、個々人にそれぞれ分担を割り振る。そして、その遂行を持って評価するプロセス評価型の仕組みが形成される。

 どのような業務であろうと(基本的に仕事の選り好みの権利は従業員にはない)「細部に神が宿る」という言葉の通り、突き詰めることで新たな地平を見出す。それにより、個々の「ベクトルの絶対値」は非常に高いレベルへと熟練していく。体育会的な厳しさにより、野放しでは人間にいきつけないような精度のオペレーションを日本は構築することができた。厳しさによる進化だ。

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