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電子部品 営業利益率20%のビジネスモデル

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米国に負けた仏産ワインの教訓に学ぶ

フロンティア・マネジメント執行役員 村田朋博氏

 日本企業の新しいニッチは何でしょうか。既述のように、ゼネラル・エレクトリック(GE)の選択が日本と競争しない分野としたならば、日本が考えるべきはアジアと競争しない分野、ウサイン・ボルト(100メートル世界記録保持者)と競争しない分野ということになります。では、ボルトと競争しないためにはどうしたらよいでしょうか。

究極の黒子企業ARM

 方向性としては、以下が考えられます。

ボルトに知恵を供給する(指導者になる)
ボルトにシューズや服を供給する
ボルトにインフラを供給する
ボルトに資金を供給する(スポンサーになる)

 これを企業経営に当てはめたらどうなるでしょうか?
新興国に知的財産を供給する―「チエをつくる企業」
新興国に部材を供給する―「モノをつくるモトをつくる企業」
新興国に機械を供給する―「モノをつくるモノをつくる企業」
新興国に投資する―スポンサーになる

 拙著『電子部品だけがなぜ強い』では、①の事例として、インテルの黒子戦略、イギリスの超高収益企業ARM、②の事例として、日本のメッキ薬液企業(上村工業、メック、日本高純度科学)、③の事例として、三菱電機を紹介しました。これらの3つの事例を簡単に振り返った後、④について述べ、その後、海外企業の事例、100年単位の視点について述べます。

新しいニッチ①―モノをつくる企業からチエをつくる企業へ

 ボルトに勝てないのであれば、ボルト(新興国)に知恵を供給する企業に変態することが考えられます。日本企業はコスト面では明らかに不利ですが、新興国で膨大な需要が期待できることは明白です。それに対応した量産は、コスト競争力にすぐれ、24時間労働もいとわない企業に任せ、自らはコーチに徹することです。

 究極の黒子と言えるのが知的資産の販売であり、そのモデルで成功しているのがARMです。直近業績は、売上高968百万ポンド(1ポンド=160円として1600億円程度)、営業利益率42%と素晴らしい業績です。成長性も抜群で、拙著で紹介した2010年度の業績(売上高407百万ポンド、営業利益率26%)と比較すると、4年間で売上高は2・4倍、営業利益は4倍になっています。

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