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顧客への提案書=「顧客の〇〇実行計画書」

トライツコンサルティング 角川淳 氏

 みなさんは「提案書」の必要性についてどのようにお考えでしょうか。

 ある程度以上の価格のものを購入しようとすると、ルールに基づく組織的な合意形成が必要になっている企業がほとんどでしょうから、顧客から社内で話を通すために提案書を求められることが多くなっているのではないかと思います。

 「そんなものは必要ない」「カタログと見積もりで十分」とおっしゃる方は、提供している商品やサービスがシンプルで見積書だけしか必要がないか、あるいは継続的に同じ内容でビジネスを続けることが主で、新規開拓をあまり行っていない、というケースが多いのではないでしょうか。

 しかし、これからもそのような営業スタイルでいいのでしょうか。すべての営業において、必ずしも手間をかけた提案書を作る必要はありません。しかし、新たな取引を始める、新しい分野に拡大するなど、顧客に改めての意思決定をしてもらうときに、顧客を動かす提案ができるのは大事なことです。

 これからますます各社のホームページが充実してくる中で、単なる商品カタログと価格の見積もりだけでは、顧客にとってインターネット上で得られる一般情報との違いは「顧客向け価格」だけしかない......などという状況になりかねません。これでは、顧客の関心を「価格だけ」という方向に自ら先導しているようなものです。

 提案書とは、単なる商品・サービスの紹介でありません。自社から顧客に対する個別の思いを伝えるラブレターです。したがって、その中身は一般的なものではなく、その顧客に合わせたものでなければならないのです。

 しかも、提案書は営業担当者の手を離れ、顧客内で購入の意思決定のための資料としてひとり歩きをします。そこをしっかり考慮し、顧客内での検討に「勝ち残れる提案書」にする必要があるでしょう。

 やり方としては、最初に一般的な内容の概要提案書を提出し、やり取りを重ねていくうちにその顧客向けの個別提案書にカスタマイズしていくとか、最初にしっかり顧客の話を聞いた上で作り込んだものをドーンと出すとか、いろいろあると思います。とにかく大切なことは、顧客が「自分のために考え、提案してくれた」と感じることです。そしてそれによって顧客が自社商品の購買に向けて動くことなのです。

 単なる商品紹介だけなら、よくできた動画の方がよほどわかりやすいですし、価格の提示だけならウェブやメールでもできます。そちらの方がシンプルですし、スピードを求める顧客のニーズに合っています。

 そんな環境の中、これからの時代のBtoB営業担当者は、あえて時間をかけてでもこのような提案書を自ら作り、顧客にプレゼンテーションを行い、顧客社内を動かすことができるスキルを求められるようになるということです。

 仮に売る商品が既存商品の組み合わせで、「見積もりを見ればわかる」というものであったとしても、そこに「なぜその組み合わせなのか」とか「なぜ自社から購入する方がよいのか」などということを理解し、納得して買ってもらうための理由を考え、伝えることができるのが営業担当者の存在価値です。

 これができないと、営業担当者の存在は単なる「コスト」としてしか扱われなくなってしまいます。

チグハグ提案書でも何とかなってきた理由

 現在、多くの企業では過去に作ってきた提案書をリライトしていたり、誰かが作成したひな形を流用したりしているのではないかと思います。それはいろんな人のノウハウが反映されたものであり、熟成を重ねた内容となっています。

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