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「好感触だったのに失注」を二度と繰り返さぬために

トライツコンサルティング 角川淳 氏

「いろいろ検討した結果、今回は残念ながら御社のご提案は見送りとさせていただくことになりました。また機会がありましたらよろしくお願いします」

「え! なぜそのようなことになったのですか!?」

「御社からの提案は、決して悪くなかったのです。しかし、実は社内で検討していくうちに、御社からの提案はちょっとオーバースペックなのではないか、もっと安価なものでとりあえずやってみる方がいいのではないかということになったんです」

「......それは......やるからにはしっかりやりたいとおっしゃったので、あのような提案を差し上げたんですが......」

「私はいまでもそう思っているんですが、社内で相談した結果、そのような結論になってしまったんです」

「それならそうと、ご相談していただければよかったのに......」

「いや、御社はこのハイスペックな仕様にこだわりと自信を持っておられるとおっしゃっていたので......」

「......」

 いきなりちょっとショックな話です。この営業担当者はこの顧客に何度も通い、良い感触を得ていたので、この結論にはビックリ。さて、みなさんはなぜこのようなことになってしまったと思いますか?

 顧客担当者はハイスペックな仕様を求めてきたので、営業はそれに対して自信を持って提案したわけです。しかし、顧客担当者が社内で検討をした結果、そこまでのスペックは不要であるという結論になりました。

 その理由は至ってシンプル。顧客担当者はそもそも「何のためにやるのか」というところを社内でちゃんと話していませんし、自分自身でも深く検討することができていなかったのです。ただ、自分の意見としてやってみたいことを話し、それに適応した提案をもらったことに満足していました。

 しかしながら、残念なことに社内での意思決定権者の考えはそれとは異なるものでした。結果、この営業担当者が「顧客ニーズ」だと受け止めていた内容は、顧客の購買担当者の個人としての考え、意見に過ぎなかったということになります。

 現実には、このケースのように素直に顧客が理由を話してくれるとも限りません。「ご提案いただいた内容では、価格面で厳しいという結論になりました」とだけ言われることもあるでしょう。その場合は、原因を価格のせいにしてしまい、本質的な問題に気付くことなく商談を終えてしまうことになってしまうのです。

 そこで、このようなことにならないようにと「意思決定権者に会って直接話を聞こう」とか「担当者から話を聞く際には『社内でのコンセンサスは取れていますか?』と確認しよう」などというのは簡単なのですが、目の前の顧客担当者も自分の仕事に意思と責任を持って取り組んでおられるので、その人の存在を否定するように受け取られかねない投げかけは状況によって難しかったりするものです。

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