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資本主義史上最大の革命「サーキュラー・エコノミー」は日本企業のビジネスをどう変えるのか

アクセンチュア戦略コンサルティング本部マネジング・ディレクター 朝海伸子氏に聞く

 過去250年にわたる資本主義経済の歴史における最大の革命──。昨年、サーキュラー・エコノミーに関する著書を出したアクセンチュアのグローバル・マネジング・ディレクター、ピーター・レーシー氏は、この新しい経済の概念をそう表現している。従来は環境保全の取り組みなどの文脈で語られてきた「循環」を、収益を生み出すメカニズムと捉えるサーキュラー・エコノミー。その「革命」に日本企業はどう向き合えばいいのか。日本でこの分野を統括するアクセンチュアの朝海伸子氏に話を聞いた。

現代の錬金術!?「無駄を富に変える」という革命

<b>朝海 伸子(あさかい のぶこ)氏</b> 幼少期を海外で過ごす。米アマースト大学卒業後、世界銀行に入行。2000年、同行を退行し米MITの教授らが設立したベンチャー企業に転職。その後米レッドハットを経て、2008年にアクセンチュア入社。現在は、サステナビリティ&ストラテジーというグローバル組織の日本統括を務める中で、日本におけるサーキュラー・エコノミーの取り組みなどを推進している。 朝海 伸子(あさかい のぶこ)氏 幼少期を海外で過ごす。米アマースト大学卒業後、世界銀行に入行。2000年、同行を退行し米MITの教授らが設立したベンチャー企業に転職。その後米レッドハットを経て、2008年にアクセンチュア入社。現在は、サステナビリティ&ストラテジーというグローバル組織の日本統括を務める中で、日本におけるサーキュラー・エコノミーの取り組みなどを推進している。

 欧州連合(EU)の政策執行機関である欧州委員会は、昨年12月、「サーキュラー・エコノミー・パッケージ」と呼ばれる新提案を採択した。食品廃棄の削減、修理しやすく耐久性の高い製品の開発、プラスチックなどの海洋廃棄物の削減などがその主な内容だが、注目すべきは、それが環境保全のための取り組みというよりもむしろ、経済成長戦略として明確に位置付けられていることだ。

 サーキュラー・エコノミーを「循環型経済」と直訳すれば、エコロジー、サステナビリティ、あるいは企業の社会的責任(CSR)などの文脈でしばしば使われてきたなじみ深い言葉となる。しかし、EUが新たに成長戦略に掲げ、欧米の多くの企業が着目し実践し始めているサーキュラー・エコノミーは、日本でもよく知られている循環型経済モデルよりも広い射程をもった考え方であり、これまでの経済の仕組みを根本から覆す可能性をもった概念である。

 では、サーキュラー・エコノミーの何が「革命的」なのか。レーシー氏はその著書のタイトルでそれを端的に表現してみせた。『Waste to Wealth』──。「無駄を富に変える」という意味だ。「無駄」とは価値のないものであり、企業が忌み嫌うべきコスト要因に他ならない。それを「富」に変えるとは、「現代の錬金術」ともいえそうな話だが、果たしてどういうことなのか。それを理解することが、サーキュラー・エコノミーの本質を知る鍵となる。

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