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協力:エプソン販売

トップセールスのプレゼン資料はなぜ回し読みされるのか?

カーナープロダクト代表取締役 横田 雅俊氏

 顧客の心を動かし成果を生み出すうえで、プレゼンテーション資料は極めて重要な役割を担います。事前に深いリサーチやヒアリングを実施し、顧客の真の課題や求める価値を把握することの重要性は言うまでもありません。しかし、その後の営業プロセスでは、80%以上がプレゼンテーションの質に依存しているといっても過言ではありません。成果に直結するプレゼンはどこが違うのか?誰にでもすぐに応用できる資料づくりの心構えとノウハウを紹介したいと思います。

プレゼン資料の役割が変わった

 ここ数年、プレゼン資料の役割は大きく変化しました。企業のWebページが充実し、商品説明、顧客の声、費用対効果のシミュレーション、見積もり等、今まで営業担当者のプレゼンでしか得られなかった情報が、誰でも簡単に手に入るようになったからです。それどころか、商品によっては比較サイトで客観的なデータや数値を他社と比較することができます。もはや各社の営業担当者を呼んで、じっくり話を聞く必要さえなくなってしまったのです。

 このような時代に、営業担当者のプレゼンにはどんな役割があるのでしょうか?当社では「気づき」と「後押し」だと考えています。「気づき」とは、顧客の知識を上回る知見に基づいた提案やアドバイスです。ネットで調べればわかる程度の情報ではなく、プロフェッショナルな見地からの提言は、顧客にとって非常に価値あるものです。「後押し」は、成熟した市場では、重要なプレゼン要素です。顧客の基本ニーズが満たされており、必ず強い競合商品やサービスが存在する市場では、「今購入する必要性」が乏しい上に、選択肢も多く、「迷い」が生じやすいのです。「迷い」は購買意欲の天敵です。顧客に「よし、今決めよう」と感じさせ、自信を持って自ら選択するように仕向けることが重要なのです。

 プレゼン資料のもう一つの役割は、継続アプローチの実現です。経験が浅い営業担当者の中には、初回訪問後のアプローチを継続できない人が少なくありません。1回目の訪問で、自社紹介や商品説明をして「何かあったらぜひお願いします」と言うだけで、次のアプローチへの布石を打つことができないのです。営業の世界では、「顧客から宿題をもらえば継続訪問ができる」と言われていますが、関係が構築できていない段階で何らかの依頼を受けることはほとんどありません。そこで、プレゼン資料を活用しながら、顧客の関心事やニーズをヒアリングし、「では次回は事例をお持ちします」「他社での取り組みを調査して来ます」と言って宿題をつくり出す必要があります。プレゼン資料をヒアリングツールとして活用することで、継続的なアプローチに結び付けることができるのです。

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