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ダイバーシティが生むイノベーション~企業のLGBTへの取り組み最新事例から学ぶ

 女性、外国人、障害者、LGBT(性的少数者)など、これまで必ずしも能力を十分に発揮できていなかった人材を積極的に活用していこうという機運が高まっている。多様な人材を活用することで企業はどう変わっていくのだろうか。2月22日に開催された「日経ソーシャルイニシアチブセミナー」(主催:日本経済新聞社デジタルビジネス局)では、LGBTなどの人材活用の意義について3人のパネリストに語ってもらった。


基調講演
「企業のダイバーシティ戦略から見えてくる、イノベーションの可能性」

井上 功氏
 リクルートマネジメントソリューションズ エグゼクティブプランナー


 企業などの組織におけるダイバーシティは、「違いの認識を生かすことで優位性を創り上げること」と定義できると思います。ポイントは、違いを生かすことができる「場」や「環境」をどうつくるか、ということです。

ダイバーシティの真の目的はイノベーション

井上 功氏 井上 功氏

 リクルートにおけるダイバーシティのキーワードは「フェア」「ケア」「キャリア」です。フェアとは「自分が職場において生かされていると思える」ことであり、ケアとは「育児などと仕事を両立できる」ことです。その2つが実現できる「場」があって初めてキャリアの方向性が見えるという考え方です。

 では、なぜダイバーシティが必要なのでしょうか。私はダイバーシティ推進には3つの目的があると考えています。「労働力の維持と調達」「CSR(企業の社会的責任)」、そして「イノベーション」です。その中でとりわけ重要なのはイノベーションです。

 ダイバーシティは日本語では「多様性」と訳されます。その反意語は「単一性」ですが、組織のあり方の表現としては、むしろ「凝集性」という言葉がふさわしいと思います。一つの強い価値観の下で組織の活動を推進する。それが凝集性ですが、それが強まりすぎると、異なる考え方を受け入れることが難しくなります。その結果、新しい価値を生み出せない組織が出来上がってしまいます。

 米国の都市社会経済学者のリチャード・フロリダ氏は、活気ある都市をつくるためには「3つのT」が必要であると言っています。すなわち「Technology(技術)」「Talent(才能ある人材)」「Tolerance(寛容さ)」です。とくに大切なのが「寛容さ」です。寛容な場をつくることで、そこに優秀な人材や独創性に富む人々が集まり、才能を開花させて、その人たちが様々な技術を生み出し、イノベーションにつながる。ゲイや芸術家、外国人などを積極的に受け入れる寛容さがあるほど、その都市の経済は成長していく──。それがフロリダ氏の考え方です。シリコンバレーのような都市が吸引力や魅力を持つようになった背景を考えれば、その理論はまさに当たっていると言えるでしょう。ここでいう「都市」は、企業などの「組織」に置き換えることが可能だと思います。

(出所)リクルートマネジメントソリューションズ (出所)リクルートマネジメントソリューションズ

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